6/26 うたをうたう
私は何かを勘違いしていたんだな。
ただうたうことが好きだったはずなのに、だからボーカルになったはずなのに。
いつの間にか誰に見せるわけでもないからうたわなくていい、とか、みんなが楽しめない曲ならうたわないほうがいい、とか、自分がそれほど上手くないことに突然気付いて怖くなったり、とか。
バンドをやろうなんて思ってなかった頃、お母さんが買い物に行って家に一人になったすきに練習したり、好きなボーカルの歌詞をルーズリーフに書いてどんなうたい方をしてるのか研究したり、それだけで楽しかった。
それをカラオケでやっとのびのびと大きな声でうたうことができた時、あんな気持ちの良い瞬間はなかった。
誰かに褒めてもらうためじゃないのに、好きなことをしていたら褒められた。
そんなことを、ずっと、すーっと、忘れていた。
原点回帰。
自分がうたいたいうたを、気持ち良くうたう、それだけのためにうたをうたおう。
うたいたいから、うたう、ただそれだけ。
それだけで、良かったんだ。